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乾燥肌(乾皮症)

乾燥肌(乾皮症)|二子玉川駅徒歩3分|土日診療の皮膚科・美容皮膚科|二子玉川皮ふ科

乾燥肌(乾皮症)

乾燥肌とは

乾燥肌(乾皮症)

乾燥肌とは、肌の皮脂や水分が不足して“肌が乾燥している状態”のことです。
“ドライスキン”または“乾皮症(かんぴしょう)”とも呼ばれることもあります。
皆さんも冬場は特に「全身が常にカサカサ」したり、洗顔の後「肌がつっぱったり」といった不快な症状を感じたことはありませんでしょうか。
こうした状態は皮膚のバリア機能が低下しているため、外からの刺激を受けやすく、何らかの刺激で湿疹化したものを皮脂欠乏性湿疹と呼びます。乾燥する冬の季節には特に多くみられ、特に高齢の方に多い傾向があります。

乾燥肌の原因

まず、健康な皮膚とは?

皮膚表面の表皮と呼ばれる部分の一番外側の層を角層といいます。この角層がヒトの体を覆っており、異物(微生物やアレルゲンなど)から守る働きや体内の水分を保つ働きをしています。これが皮膚のバリア機能です。また皮膚は表皮の一番深い基底層という層から日々新しい細胞が出現してきます。徐々に形が変わりながら表面に向かって押し上げられ、やがて古くなってくると表面から剝がれていきます。これを皮膚のターンオーバーといいます。
健康な皮膚は、正しい周期でこのターンオーバーを繰り返すことでバリア機能を維持しています。しかし様々な原因によって、このバリア機能が低下すると、皮膚の中に水分をとどめておくことができなくなり、“乾燥肌”になります。

角層のバリア機能は、以下のような原因が複数合わさることで起こりやすくなります

肌のターンオーバーの乱れ
過度なダイエットや偏食による栄養不足、不規則な生活、ストレスなどを要因にターンオーバーのリズムが乱れるとバリア機能が低下し、潤いのある正常な肌を維持できなくなります。
紫外線の影響
紫外線を浴びることで肌の表面の角層がダメージを受け、バリア機能が低下します。
誤ったスキンケア
タオルやティッシュなどで過剰に油分を拭き取ったり、その摩擦による刺激や顔の洗いすぎによりバリア機能が低下します。
家庭の水仕事
(炊事・洗濯など)
食器を洗いの際の強力な洗剤や、繰り返しのお湯の使用によって皮脂が過度に流されてしまい、バリア機能が低下します。
加齢
加齢に伴い皮脂や保湿成分が減少していき、バリア機能が低下しやすくなります。

乾燥肌の症状

肌の水分や皮脂が不足して、潤いが失われます。
主に以下のような症状を感じる方は「乾燥肌」かもしれませんので、我慢できず継続的な症状がみられる際は皮膚科への受診をお勧めします。

主な症状

  • 全身のかさつき
  • 洗顔や水仕事の後の肌のつっぱり感
  • ひじやひざ、すねのカサつき
  • 肌から粉をふく
  • 皮膚表面のかさつきがひどくなりシワができる

乾燥肌の状態は、肌のバリア機能が低下して肌が無防備といえますので、異物が皮膚から侵入しやすくなり、肌トラブルが起きやすいのです。
乾燥肌は全身どこでも起きる可能性がありますが、ひじ、ひざ、すね、手の甲など、もともと皮脂の分泌が少ない部位は乾燥が目立ちやすいです。
乾燥肌から何らかの刺激で湿疹化したものを皮脂欠乏性湿疹と呼びます。

当院の治療

乾燥肌を改善するには、基本的に“保湿”が大切です。かさつきなどの症状が出ている部位に保湿剤を塗って、皮膚の乾燥を防ぎます。
またかゆみや赤みがでて湿疹化してしまった場合などには、症状に応じてステロイド外用薬を使用します。

乾燥肌に用いる主な保湿剤

ワセリン
油脂性で皮膚表面に膜を張り、水分の蒸発を抑え保護する作用があります。低刺激性で保湿力は高いです。患者さまによっては「べたつき感」が気になる方もいらっしゃいますので、気になる方はご相談ください。
ヘパリン類似物質含有製剤
ヘパリン類似物質には水分を保持する作用があり、皮膚に潤いを与えます。さっぱり塗れるローションタイプのものや油分が多く保湿力の高い軟膏タイプのもの、他にクリームタイプや泡タイプのものなどバリエーションがあります。そのため使用する部位や使用感、季節などに応じて使い分けることもできます。
尿素
水分を保持する作用の他、かかとやひざ、ひじなどゴワゴワしてしまった部位に使用すると肌がやわらかくなる効果が期待できます。引っかいて傷になった部位などはかえって刺激になることもあるため、そのような場合は他の薬に切り替えることをお勧めします。
セラミド
角質に含まれる天然の潤い成分(角質細胞間脂質)です。加齢とともにこのセラミドは減少します。皮膚の水分を保つ働きがあり、キメを整え、皮膚に潤いを与えます。

なかなか改善しない乾燥肌、激しいかゆみを伴う場合は他の皮膚疾患の可能性もあります。自己判断せず、皮膚科専門医に相談しましょう。