湿疹の原因は、外からの刺激による外的因子と体質などによる内的因子が絡み合って発症すると考えられます。原因がわからないこともあります。
湿疹
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湿疹
湿疹(しっしん)は、皮膚表面に起こる炎症のことをいい、皮膚炎とも呼ばれます。
皮膚のトラブルの中では最もよくみられ、皮膚科のクリニックを受診される方の数も多い皮膚疾患です。
湿疹の原因は、外からの刺激による外的因子と体質などによる内的因子が絡み合って発症すると考えられます。原因がわからないこともあります。
他にも日常生活で接触する多くのものが外的因子となり得る可能性があります。
これらが複雑に絡み合って湿疹の症状の多様性を生み出すことになります。
湿疹で受診されたときに、「原因はなんですか?」と患者さまによく聞かれることがあります。
明らかな原因があればそれとわかるのですが、はっきりとしないことも多く、この場合は上記のような様々な因子が絡み合って発症している可能性が高いと考えられます。
推定される原因は非常にたくさんあり、1回の診察では特定できないことも多いです。
湿疹の症状は赤みやかゆみ以外に赤いブツブツや水疱、かさぶたができたりします。
時間がたち、慢性化してくると皮膚表面がザラザラ・ゴワゴワした状態になり、次第に黒ずんだ色素沈着になってくることもあります。
外的物質の刺激性やその物質とのアレルギー反応により、接触した部位に一致して赤くなったり、かゆみなどの症状が出てきたりする皮膚疾患です。
詳しくはかぶれ(接触性皮膚炎)のページをお読みください。
主に手足や体に円形や楕円形のジュクジュクやカサカサした赤みが散在、多発するような湿疹です。非常に強いかゆみを伴います。
虫刺されやかぶれなどからこの湿疹に移行するケースもあります。
ある部位に限局していた湿疹病変が急に悪化することで、今まで出ていなかった部位にも赤みやブツブツなどができるようになり、全身に広がってきます。
場合によっては発熱などの全身症状がでることもあります。
下肢静脈瘤などの慢性的な静脈不全がある場合に、下腿を中心に紅斑や湿疹局面がみられ、毛細血管からの出血によるヘモジデリンの沈着により、皮膚に褐色調の色素沈着がみられます。この状態が長く続くと、皮膚がむくんで硬くなったり(硬化性脂肪織炎)や、熱感をもって痛みを伴う(うっ滞性脂肪織炎)を起こすこともあります。また、皮膚のバリア機能も低下し、ちょっとした傷がなかなか治らなくなり、深い傷になったりします。
加齢や入浴時の洗いすぎなどが原因で皮膚が乾燥しやすくなり、かさかさしてくると、皮膚のバリア機能が低下して、さまざまな外的刺激により湿疹が生じやすくなります。主に高齢者の方にみられます。
手のひらや足底に小さい水ぶくれ(小水疱)が散在して、強いかゆみを伴います。多汗症の人にみられる傾向がありますが、汗腺との関係ははっきりしていません。金属アレルギーなどとの関連性も指摘されていますが、はっきりとした原因がわからない場合も多くみられます。
湿疹のバリエーションは非常に多く症状も多彩です。
炎症の程度やかゆみの状態など症状に応じて、ステロイド外用薬や抗ヒスタミン薬の内服など行います。
ちなみにステロイド外用薬にはたくさんの種類があり、どれを塗ってよいかわからなくなる方もいるかと思います。
ステロイド外用薬には作用が穏やかなものから強力なものまであり、その作用の強さによって、ウィーク、マイルド(ミディアム)、ストロング、ベリーストロング、ストロンゲストの5段階に分類されています。
体の部位によってステロイド外用薬の吸収度が違うため、体の部位や症状に応じて適切な強さのステロイド外用薬を使い分ける必要があります。強力なステロイド外用薬を漫然と塗ったり、指定された部位以外に使用することなどで、皮膚が委縮したり、かえって肌が赤くなったり、ニキビができたりなど副作用を起こすことがあります。
ステロイド外用薬は必ず診察を受けたうえで、さらに使用する部位を確認したうえで塗ることをお勧めします。
外用薬や内服薬などの治療以外にも、湿疹の原因と考えられるような因子については避けるようにしていくことも大事です。
湿疹は一度治ったようにみえても、再び症状が出てくる可能性があります。
症状にお困りでしたらぜひご相談にいらしてください。