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虫さされ

虫さされ|二子玉川駅徒歩3分|土日診療の皮膚科・美容皮膚科|二子玉川皮ふ科

虫さされ

虫さされとは

虫さされ

虫さされとは、蚊やハチなどの虫に刺されて生じる皮膚炎です。
虫に血を吸われたときに注入される成分に対するアレルギーや虫が持っている毒の成分に含まれるヒスタミンなどの物質で症状が出現すると考えられています。

炎症は、すぐに症状がでてすみやかに症状が改善する「即時型反応」と、1~3日程度経ってから出る「遅延型反応」がありますが、反応の出方も人それぞれであり、虫の種類や人によっては30分〜1時間ほどでショック症状が起こり命に危険が及ぶこともありますので、たかが虫さされと思わず虫が多い場所などへ行くときは服装などによく気をつけましょう。

補足

蚊・ノミ・ハチなど、住んでいる場所にかかわらず日常的な虫さされは数多くあります。症状の程度も、特に治療しなくとも痒みを我慢していればすぐに治まるものから、すぐに毒抜きなどの処置が必要なものまで様々です。

虫を特定する手がかり

患者さまから「何の虫に刺されたのでしょうか?」とよく質問されますが、症状には個人差があり、皮膚の状態では虫の種類の確定はできないのですが、次のようなことが刺した虫を推定する手がかりになります。

刺された部分はどこか

手足顔などの露出部が刺されていると蚊、体などの服に覆われた部分に細かい赤いかゆいぶつぶつだとダニなどが多いといわれています。

刺された皮膚に出血点がある

ブユやアブの場合は口器で皮膚に傷が付き、刺された部分に出血点や内出血のようなものがみられることがあります。

刺されたときに痛みがあった

「刺されたときに痛みを感じる」と、蜂かムカデが原因であることが多いです。
蜂の場合は痛みで刺されたのがわかるので、虫を目撃する場が多いです。ムカデは顎にある牙が毒牙で咬みつきます。アリやクモ類も咬まれたときに痛みを伴います。アリは顎で咬むのですが、種類によってはお尻の先に毒針がありこれで刺す場合もあります。アブも口器で皮膚を切り裂くので刺されると痛い虫です。イラガの幼虫は毒棘を持ち、これに触れると電撃的な痛みを感じます。

すねや足がたくさん刺され水ぶくれがある

足首やすねに赤いかゆいぼつぼつがたくさんでき、水ぶくれも混じっているのはネコノミ刺症によくみられる特徴です。

露出部に細かい赤いぶつぶつがある

首や腕などの露出部にかゆみの強い細かい赤いぼつぼつがたくさんできているのは毛虫による皮膚炎が疑われます。しだいに服に隠れていた体の方に発疹が拡大することが多いです。毛虫を見ていなくても脱皮した殻の毛でも発症するので毛虫がいそうな所の近くにいるだけでも発症することがあります。

虫さされの症状

以下では代表的な例を挙げてご案内します。該当しない場合もあるかと思いますので、気になる方は、当院またはお近くの皮膚科専門クリニックへご相談ください。

蚊による虫刺され

蚊が血を吸うときに唾液成分を皮膚に注入するので、これによるアレルギー反応が起こります。刺されてすぐにじんましんのように平たく盛り上がってくる即時型反応とさされた翌日から出現する遅延型反応があります。

(例)

アカイエカ
家に周辺の下水溝や雨水枡などから発生するため、家の中に侵入しやすいです。そのため屋内、特に夜間就寝中などに血を吸いにきます。
ヒトスジシマカ
一般的にヤブカと呼ばれる蚊です。家の周りや公園、墓地などの水たまりで発生します。主に野外でさされます。

蚊に刺されるのを予防するには野外活動の際には黒っぽい服を着ないようにし、皮膚の露出をさけ、虫除けスプレーを使用すること、屋内では蚊が入ってこないように網戸を閉めておき、就寝前には電気蚊取りなどを使用しておくなどするようにしましょう。

毛虫皮膚炎

ドクガ、チャドクガ、モンシロドクガの成虫、毛虫などが該当します。これらの虫は毒針毛(どくしんもう)と呼ばれる毛があります。
お子様と樹木のまわりで遊んでいたり、草むしりなどの作業をしているときにそれらの毒針毛にさされて発症することがよくあります。また、この毒針毛は空中に散布されることもあるため直接触れなくても皮膚炎が生じることがあるため気が付かないこともあります。

毛虫は年2回(6月~7月、9月~10月頃)発生し、椿やサザンカなどに付いている場合がみられます。首や腕などの露出部に赤い丘疹ボツボツができ、強いかゆみを伴います。次第に拡大することもあります。

治療は抗ヒスタミン薬を内服したり、強めのステロイド外用剤を塗ります。
初期のうちにガムテープなどを使用して毒針毛を取り除いたり、石けん水などで洗い流すなどの処置をするのも効果的です。また受傷した時に着ていた衣服はしっかり洗濯しておくようにしましょう。

ハチ

代表的な蜂はスズメバチ、アシナガバチ、ミツバチです。蜂の針は産卵管で刺すのはメスです。スズメバチは特に攻撃性が高く、巣に近づくと危険です。スズメバチやアシナガバチに刺されても毒針は残りませんが、ミツバチは毒針にかえしの構造があるため、刺されると針が皮膚に刺さったままになることが多いです。

針には毒液の入った袋(毒嚢)がついているので、不用意につまんで取ると毒液が皮膚に入ってしまう危険があります。毒嚢を触らないようにしてピンセットなどでとるようにしましょう。場合によっては刺された後にアナフィラキシーショックを起こすこともあるため注意が必要です。

マダニ

マダニはシカやイノシシなど野生生物が出没する山や民家の裏山、畑、あぜ道などの草むらにも生息します。ペットに付着しているケースもしばしばあります。人や動物が近づくと吸血します。体長は数mm程度で、吸血しても気が付かないケースが多いです。
またマダニはライム病や日本紅斑熱、重症熱性血小板減少症候群などの病原体を媒介することがわかっています。

マダニに刺されないようにするには

山野や草むらなどに入る時には長袖や長ズボンを着て、肌の露出を避けることを意識しましょう。

マダニに刺されたときは

マダニに刺されたときに虫体を無理に引き剥がそうすると、マダニの一部が皮膚に残ってしまうことがあります。もし刺されたときは皮膚科を受診して処置してもらうのをおすすめします。

マダニとアレルギー

牛肉アレルギーの主な原因となるアレルゲンはα-galという糖鎖で牛肉だけでなく、豚肉やセツキシマブ(抗がん剤)にも含まれているのですが、マダニの唾液腺中にも含まれているため、マダニに刺されたときにα-galに対するアレルギーを獲得して牛肉を摂取した時やセツキシマブを投与したときにアレルギー反応を起こす可能性があることが知られています。

イラガ

イラガの幼虫は俗に「シナンタロウ」とも呼ばれており柿の木などの葉を食べます。
毒棘に触れるとビリッと強い痛みがあります。刺されたら患部を冷やすのが痛みの緩和に有効です。7月~10月頃庭木の剪定をする際は幼虫に触らないように注意が必要です。

当院の治療

ステロイド外用、抗ヒスタミン薬の内服などで治療する運びとなりますが、痒みや痛みがひどくなる前に治療することが大切です。